納豆日記

とりあえず納豆が食べたいです。が、納豆のことは特に書かないと思います。

蜘蛛の糸、秘密基地、煙突飛行ネットワーク

限られた世界に生きていた子供の頃、読書は大好きだったけど、それが何故かと言われればきっと困ってしまっていただろう。昔を振り返って、なんとなく知識も増えて、語彙をもう少しだけ獲得した今、そこに説明を与えるとすれば、限られた世界を出て物事を相対化したかったんだろう。

それは、ズッコケ三人組と共に日常が彩られるような興奮であり、芥川龍之介の短編に感じたどこか影のある世界への漠然とした憧れであり、そして、ハリーポッターと共に魔法界に圧倒され一瞬で没入させられるまさに呪文にかけられたような中毒性だ。

その度に、友達と作戦会議して秘密基地を作りたくなり、理解しきれない世界を目の当たりにしつつも蜘蛛の糸が切れた先を想像し、こっそり箒に跨った。

大人になればなるほど、雑音が気になるようになった。没入しようと努力しないと入り込めないことが多々ある。それでも読むしかないのだろう。ダイアゴン横丁の煉瓦の叩き方は忘れていっても、色んな煙突から色んな所に行けるようになったはずだから。大人になるって、そういうことだと、中途半端な歳の今は信じたい。

ストックホルムにて

12年ぶりのストックホルムは、

物価の安いアジアから急にやってくるには刺激が強すぎた。

 

初めての海外。初めてのヨーロッパ。

原点回帰、なんて感傷を抱きながらの1週間は、

やはり物価が高くてもここに寄ってよかったと思えるような滞在だった。

 

1週間でその国を判断することなんてできないけれど、

弾丸で観光地をまわるよりはほんの少しだけその国と向き合える。

 

ベトナムに1か月いてわかったことは、

なにもわからないということだけだったが、それはどこでも同じだ。

 

街で会った1、2人の人間からその国の国民性はわからないし、

ひとりの乞食を見ただけでその国の闇は見えてこない。

 

寒く暗い冬も、時として日本人からは冷たく感じられるくらいの個人主義

小学生のころには知る由もなかった。

幻想を幻想のままにしないことが、あえてば目的のひとつだったが、

可能な限りいろいろ吸収した1週間を経ても、

やはりスウェーデンは今でも少しspecialだ。

 

各々抱える問題はあれど、総体としては日本よりはるかに進んだ政治システムも、

そうあるために不可欠な国民の成熟した政治参加の意識も、

首都ストックホルムのど真ん中に国立公園があるような自然あふれる環境も。

来日したあるスウェーデン人は日本の大学生との公開講義で投げかけられた

「政治って何か?」というクエスチョンに不思議そうな顔で

「政治って僕らのことじゃないの?」と答えた。この距離感にはまだまだだ。

 

様々な国で様々な生き方があり、差し迫るプレッシャーに、

そんなにおびえる必要はないんじゃないかという気にさせてくれる。

もちろん学びへの貪欲かつストイックな姿勢なしでは成り立たないが。

 

語学を勉強するときに一度は感じる、帰国子女への羨望は

わかっていながらもなんとなく持ち続けがちだ。

彼らなりのアイデンティティクライシスと確立しゆく過程を一瞬だけ垣間見ると

そこには想像したこともない葛藤がやはりある。

見えてるものだけがすべてではなく、それだけが真実ではない。

 

勉強不足を感じるばかりの遊学期間は、それ自体一つの学びと割り切って進んでゆくしかないだろう。あまり時間はないけれど、まだまだ遅くない。

 

アジアでのことも文章にすべきだろう、なんならもっと早くから。

 

ストックホルムを思いつつ、ヘルシンキ行きのバスを待つフィンランドの港町トゥルクのカフェにて雑感を殴り書きしておく。

 

 

 

 

京都・嵐山 坐禅のすゝめ

寒さが深まるに連れ、

お布団の誘惑にも抗いがたくはなるけれど、たまには早起きしてみてはいかがだろうか。


スティーブ・ジョブズマイケル・ジョーダンが禅に傾倒していたなど、近年逆輸入的に関心が高まっている、禅。



禅といえば坐禅。

Wikipediaで坐禅を検索してみると・・・

【坐禅】

日本での坐禅は宗教・宗派とは無関係に精神鍛錬として認識され、寺などで僧が監視している中で坐禅を行う形をとる修行…(中略)

 

黙想・瞑想するのではなく、自我を極力排除して、自我以外の存在を全感覚で受動的に感じ取る事によって、自我以外の存在に縁取られた自我自体の認識へと立ち返る…(略)

 

このハードルの高さ。ナウにトレンディにファッショナブルに、

ZENがCOOLなんだぜ、なんて言っている場合ではない。

 

 

今回はタイトルにもある通り、嵐山の天龍寺の坐禅会に参加した。

天龍寺の場合、坐禅20分を2セット行ったのち、希望者はありがたいお話を聞くことが出来る。なお2セット目は、希望すれば例の木の棒(警策という)にて背を打って頂くことも可能だ。まぁバスケ部かなんかで、ミニゲーム2回やったのち、監督からの長いお話があるような、そんな感じ。

 

せっかくなのでどんな感じだったか書いておく。

1セット目~

寒い、寒い、足痛い、寒い、少しだけ無心、腰痛い、寒い、終わり。寒い。

 

2セット目~

叩いている様子が気になって、2人のお坊さんはどちらが叩くのが上手なのか気になって、昼食べる予定のカレーのことが気になって、終了。

 

ありがたいおはなし~

睡眠も削り風呂にも入らず

極寒の中1週間昼夜を通して坐禅を組み続ける、という修行の話を聞いて、

仏門に帰依しなかった自分を心から褒める。そして眠い。(←この罰当たりめ)

 

いかがだろうか。

これだけ偉そうに禅を紹介し出したにも関わらずお読み頂いた通り

自我なんて微塵も排除できなかったし、

自我以外の存在に縁取られた自我自体の認識にも立ち返れなかった。

 

とはいえ、観光客が増える前の朝の時間帯、

嵐山の凜として澄んだ空気の中で坐禅を組むという体験は、慌ただしい毎日にあってとても贅沢な体験に感じられた。

 

坐禅の魅力が伝わったかはともかく、

嘘を書くわけにもいかないし、きっと皆さまはこんなに煩悩にまみれていないはずなので、ぜひお試しを。

 

 

そして座禅会には、

1人か2人くらい、プロが混じっている。うまく形容出来ないけど、見ればきっと分かるはず今に空中に浮くんじゃないかって感じ。

探してみると、

「おぬし、只者ではないな」気分味わえて楽しいかと。

 

毎週第2日曜 9:00~10:00

嵐山 天龍寺 友雲庵

http://www.tenryuji.com/event/

 

 

 

晩秋と暮秋と暮の秋と秋の暮

ついに師走。慌ただしくも華やかな1ヶ月が幕を開け、2014年の幕引きのカウントダウンも同時に始まってしまいました。

 

なんとなく今年は、「秋」を実感することが少なかったような気がして、久しぶりに金田一春彦の「ことばの歳時記」を本棚から取り出していくつか読んでみる。その中で紹介されていた和歌のひとつ。

 

この道や 行く人なしに 秋の暮     芭蕉

 

本書によると、晩秋=暮秋=暮の秋で、

秋の暮=晩秋→秋の夕暮れと、ややこしいことばの変化もあったようだが、古来より日本では、とりわけ秋の夕暮れのもの寂しい趣きが愛されてきたという。

 

清少納言も 「秋は夕暮」と断言しているし。

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けれど、ビル・エヴァンスやクラプトンらのAutumn Leavesも、コルトレーンとハートマンのAutumn Serenadeも、ミレーの落穂拾いも、秋をモチーフにした作品は、どこかもの寂しい雰囲気が漂う気もする。

 

人が秋という季節に抱く感覚は、ある程度は文化を越えて似通ったものがあるのかもしれない。

 

そう考えると、大晦日まで1ヶ月を切り、大学に通う期間自体は1年と少しだと気付いてささやかな寂寥感を抱くこと自体、なかなか秋らしいことなのではないか。

 

まぁ何はともあれ寒くなってきました。

とりあえず秋刀魚でも食べて、熱燗の日本酒でも頂きましょう。

なんだかんだ言っても結局それだけで、

しっかり秋は感じられるはず…笑

 

 

 

はじめましてと自己紹介

突然ですが、ブログをはじめてみました。
 
京都の大学に通っています。
法学部にいながら政治思想を学んで、
とにかく法律を避けつつ過ごしています。
 
ところで、よく
「大学は京都なんですよ〜」
って言うと、
 
 
「え?京大?!」
 
って言われます。
 
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違います。
 
ハードル上げないで欲しい…
 
これ多分、京都の大学生あるあるですよね。なんで東京ではこの現象が起こらないのか。不思議。
 
ちなみにさっきの写真、
我がR大学です。
 
関係者(教授とか)の間では、
株式会社絶命館とも呼ばれています。
ほんとです。でも、生きてます。
 
 
 
 
好きな食べ物は納豆、
 
好きな納豆は小粒、
 
好きな薬味はネギとしらすです。
 
 
つまり、納豆が大好きです。
 
 
好きなものはこの辺にして…
 
 
真面目な話をすれば、来年から1年間休学して、日本を離れる予定です。その記録を残したいということ、文章を書く機会を設けたかったということ、主にこの2つがブログをはじめた理由です。
 
旅行、本、芸術、食べ物、京都のこと
なんか書いていこうと思っています。
 
 
どれくらい続くことやら分かりませんが、ひとつよろしくお願いします!